卯の花の歌

巻 7・8・9

   
 佐伯山 卯の花持ちし かなしきが 手をし取りてば 花は散るとも7-1259 作者未詳
 ほととぎす 来鳴きとよもす 卯の花の 共にや来しと 問はましものを8-1472 石上堅魚
 卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴きとよもす8-1477 大伴家持
 皆人の 待ちし卯の花 散りぬとも 鳴くほととぎす 我忘れめや8-1482 大伴清縄
 卯の花の 過ぎば惜しみか ほととぎす 雨間も置かず こゆ鳴き渡る8-1491 大伴家持
 ほととぎす 鳴く峰の上の 卯の花の 憂きことあれや 君が来まさぬ8-1501 小治田広耳
 
 他に長歌 9-1755
  

巻 10

   
 春されば 卯の花腐し 我が超えし 妹が垣間は 荒れにけるかも10-1899 作者未詳 
 朝霧の 八重山越えて ほととぎす 卯の花辺から 鳴きて超え来ぬ10-1945 作者未詳
 五月山 卯の花月夜 ほととぎす 聞けども飽かず また鳴かぬかも10-1953 作者未詳
 卯の花の 散らまく惜しみ ほととぎす 野に出で山に入り 来鳴きとよもす10-1957 作者未詳
 かくばかり 雨の降らくに ほととぎす 卯の花山に なほか鳴くらむ10-1963 作者未詳
  
 時ならず 玉をそ貫ける 卯の花の 五月を待たば 久しくあるべみ10-1975 作者未詳
 卯の花の 咲き散る岡ゆ ほととぎす 鳴きてさ渡る 君は聞きつや10-1976 作者未詳
 うぐひすの 通ふ垣根の 卯の花の 憂きことあれや 君が来まさぬ10-1988 作者未詳
 卯の花の 咲くとはなしに ある人に 恋ひや渡らむ 片思にして10-1989 作者未詳
  

巻 17・18・19

   
 卯の花の 咲く月立ちぬ ほととぎす 来鳴きとよめよ 含みたりとも18-4066 大伴家持
 卯の花の 共にし鳴けば ほととぎす いやめずらしも 名告り鳴くなへ18-4091 大伴家持
 卯の花を 腐す霖雨の 始水に 寄るこつみなす 寄らむ児もがも 19-4217 大伴家持 
 
 他に長歌 17-3978 17-3993 17-4008 18-4089
  


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