山 吹 の 歌

巻 8・10

   
 かはづ鳴く 神奈備川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花8-1435 厚見王
 山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春の雨に 盛りなりけり8-1444 高田女王
 花咲きて 実は成らねども 長き日に 思ほゆるかも 山吹の花10-1860 作者未詳
 かくしあらば なにか植ゑけむ 山吹の 止む時もなく 恋ふらく思へば 10-1907 作者未詳 
  

巻 11・17

   
 山吹の にほへる妹が はねず色の 赤裳の姿 夢に見えつつ11-2786 作者未詳 
 うぐひすの 来鳴く山吹 うたがたも 君が手触れず 花散らめやも17-3968 大伴宿禰池主
 山吹の 繁み飛び潜く うぐひすの 声を聞くらむ 君はともしも17-3971 大伴宿禰家持
 山吹は 日に日に咲きぬ 愛しと 我が思ふ君は しくしく思ほゆ17-3974 大伴宿禰池主
 咲けりとも 知らずしあらば 黙もあらむ この山吹を 見せつつもとな17-3976 大伴宿禰家持
  

巻 19・20

   
 山吹の 花取り持ちて つれもなく 離れにし妹を 偲びつるかも19-4184 留女之女郎
 山吹を やどに植ゑては 見るごとに 思ひは止まず 恋こそ増され19-4186 大伴宿禰家持
 妹に似る 草と見しより 我が標めし 野辺の山吹 誰か手折りし 19-4197 大伴宿禰家持 
 山吹は 撫でつつ生ほさむ ありつつも 君来ましつつ かざしたりけり20-4302 置始連長谷
 我が背子が やどの山吹 咲きてあらば 止まず通はむ いや年のはに20-4303 大伴宿禰家持
 山吹の 花の盛りに かくのごと 君を見まくは 千年にもがも20-4304 大伴宿禰家持
  
 他に長歌 19-4185 
  


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