ハ コ ベ



 子供の頃、当時貴重だった卵を産んでくれる鶏の餌にするため、よくハコベの葉を採りに行ったものです。ハコベの葉は柔らかく特に鶏たちの好物だったようです。

 春の七草の一つにハコベラというのがありますが、それがこのハコベの古名です。春先から田畑の畦道、草地、道端にオオイヌノフグリとは対照的な花径6~7㎜ほどの白い花を沢山咲かせます。花弁は5枚ですが、それぞれの花弁の中央が基部近くまで裂けていますので10枚の花弁のように見え、それがこの花をきれいに見せています。

 ハコベには茎が暗紫色をしたコハコベと、全体が緑色をしたミドリハコベがあり、総称してハコベと言っています。もう一つ近縁種でウシハコベというのがあります。ちょっと紛らわしいですが、蕊を見ると分かります。ハコベの雌蕊は先で3本に分かれています。それに対しウシハコベの雌蕊は5本に分かれており、見分けがつきます。それにしても小さい花ですから肉眼では苦しい。ルーペがあると良いですね。

  分類 ナデシコ科 ハコベ属 1~2年草
  分布 本州~沖縄
  花期 3~9月
  高さ 10~30㎝ 

コハコベ


ミドリハコベ


ウシハコベ


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