すすき として

   
 はだすすき 久米の若子が いましける 三穂の岩屋は 見れど飽かぬかも3-307 博通法師
 妹らがり 我が行く道の 篠すすき 我し通はば なびけ篠原7-1121 作者未詳
 めずらしき 君が家なる 花すすき 穂に出づる秋の 過ぐらく惜しも8-1601 石川広成
 はだすすき 尾花逆葺き 黒木もち 造れる室は 万代までに8-1637 太上(元正)天皇 
 我が門に 守る田を見れば 佐保の内の 秋萩すすき 思ほゆるかも 10-2221 作者未詳 
  
 我妹子に 逢坂山の はだすすき 穂には咲きでず 恋ひ渡るかも10-2283 作者未詳 
 秋萩の 花野のすすき 穂には出でず 我が恋ひ渡る 隠り妻はも10-2285 作者未詳
 はだすすき 穂には咲き出ぬ 恋を我がする 玉かぎる
   ただ一日のみ 見し人故に(旋頭歌)
10-2311 作者未詳
 新室の こどきに至れば はだすすき 穂に出し君が 見えぬこのころ14-3506 東歌
 かの児ろと 寝ずやなりなむ はだすすき 浦野の山に 月片寄るも14-3565 東歌
  
 帰り来て 見むと思ひし 我がやどの 秋萩すすき 散りにけむかも15-3681 秦田麻呂
 はだすすき 穂にはな出でと 思ひたる 心は知らゆ 我も寄りなむ16-3800 娘子
 婦負の野の すすき押しなべ 降る雪に 宿借る今日し 悲しく思ほゆ17-4016 高市連黒人
  

をばな として

   
 伊香山 野辺に咲きたる 萩見れば 君が家なる 尾花し思ほゆ8-1533 笠金村
 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花8-1538 山上憶良
 秋付けば 尾花が上に 置く露の 消ぬべくも我は 思ほゆるかも8-1564 日置長枝娘子
 我がやどの 尾花が上の 白露を 消たずて玉に 貫くものにもが8-1572 大伴家持 
 秋の野の 尾花が末を 押しなべて 来しくも著く 逢へる君かも 8-1577 安倍虫麻呂 
  
 はだすすき 尾花逆葺き 黒木もち 造れる室は 万代までに8-1637 太上(元正)天皇 
 秋の野の 尾花が末に 鳴くもずの 声聞きけむか 片聞け我妹10-2167 作者未詳
 夕立の 雨降るごとに 春日野の 尾花が上の 白露思ほゆ10-2169 作者未詳
 我がやどの 尾花押しなべ 置く露に 手触れ我妹子 落ちまくも見む10-2172 作者未詳
 秋の野の 尾花が末の 生ひなびき 心は妹に 寄りにけるかも10-2242 作者未詳
  
 道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何か思はむ10-2270 作者未詳
 秋津野の 尾花刈り添へ 秋萩の 花を葺かさね 君が仮廬に10-2292 作者未詳
 夕立の 雨うち降れば 春日野の 尾花が末の 白露思ほゆ16-3819 小鯛王
 高円の 尾花吹き越す 秋風に 紐解き開けな 直ならずとも20-4295 大伴池主
 初尾花 花に見むとし 天の川 隔りにけらし 年の緒長く20-4308 大伴家持
  

かや として

   
 秋の野の み草刈り葺き 宿れりし 宇治のみやこの 仮廬し思ほゆ1-7 額田王
 我が背子は 仮廬作らす 草なくは 小松が下の 草を刈らさね1-11 中皇命
 大名児を 彼方野辺に 刈る草の 束の間も 我忘れめや2-110 日並皇子尊
 陸奥の 真野の草原 遠けども 面影にして 見ゆといふものを3-396 笠女郎 
 黒木取り 草も刈りつつ 仕へめど いそしきわけと 褒めむともあらず4-780 大伴家持 
  
 葛城の 高間の草野 はや知りて 標刺さましを 今そ悔しき7-1337 作者未詳 
 紅の 浅葉の野らに 刈る草の 束の間も 我を忘らすなくに11-2763 作者未詳
 み吉野の 秋津の小野に 刈る草の 思ひ乱れて 寝る夜しそ多き12-3065 作者未詳
 川上の 根白高萱 あやにあやに さ寝さ寝てこそ 言に出にしか14-3497 東歌 
 岡に寄せ 我が刈る萱の さね萱の まことなごやは 寝ろとへなかも14-3499 東歌 
  
 室草の 都留の堤の 成ぬがに 児ろは言へども いまだ寝なくに14-3543 東歌 
 天なるや 神楽良の小野に 茅草刈り 草刈りばかに 鶉を立つも16-3887 作者未詳 
  

   
 他に長歌
     1-45 9-1757 10-2089 15-3691 17-3957
  


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