ドクダミ



 ドクダミ。生えているところが気に入りません。日陰の湿気の多いところで、なんとなく陰気な感じがします。それに独特の臭い。何と言っても名前が良くないです。そんなわけで子供の頃からこの花を敬遠してきました。

 ところがこの花には、ジュウヤク(十薬)の別名があることで分かりますように、腫物、創傷、高血圧、動脈硬化、便秘等々、十指に余る薬効があるといいます。また天ぷらにしたり、ドクダミ茶として飲まれてもいます。乾燥させると臭いは気にならなくなるそうです。

 そう思って改めてよく見ると、この花なかなか可愛い花です。白十字の花弁に見えるのは総苞片です。花弁のない雄しべと雌しべだけの花が中央の花穂に無数についています。通常総苞片は4片ですが、時折5枚、6枚のものも見ます。さらに幾重にも重なった八重のものもあります。さながらウエディングドレスのようです。

 緑の絨毯の上に点在する白い花。薄暗い梅雨空の下にあってもよく引き立ちます。

  分類 ドクダミ科 ドクダミ属 多年草
  別名 ジュウヤク
  分布 本州~沖縄 半日陰地、道端、林縁、藪
  花期 5~7月
  高さ 15~30㎝ 
  

萼も花弁もなく、3個の黄色い雄しべと花柱の先が3個に分かれた雌しべからなる花が花穂にびっしりつきます。


総苞片は通常4枚ですが、時には5枚・6枚あるいはそれ以上のものもあります。


極め付きは八重のもの。花嫁さんのウエディングドレスのよう。

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