ハキダメギク(掃溜菊)
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草花の名前にはずいぶん変わったものがある。これもそのうちの一つ。「掃き溜めに鶴」ということわざがある。これは誉め言葉だが、ハキダメギクはどうだろう。名付親は牧野富太郎博士という。ならばと、牧野日本植物図鑑を開いてみたが、これには掲載されていなかった。どうしてだろう。 大正年間に、牧野博士はゴミ捨て場(掃き溜め)で咲いているのを発見して名付けたそうだが、今ではいたずらにごみを捨てるわけにはいかないし、集積所に集められたゴミはすぐに回収されるので、名前の由来となった掃き溜めと言ったようなところは見当たらない。 ハキダメギクは北米原産の花だが、今では日本全国で生育する帰化植物だ。田畑や道端、空地などどこででも見ることができる。高さは10~60cmくらいで、よく枝分かれし、その先に一つずつ花を付ける。花径は5・6㎜ほど。内側に沢山の極少の黄色い筒状花が塊り、外側を5個の白い舌状花が囲んでいる。 一つの花は小さいので見過ごしそうだが、大抵は沢山群れで咲いているのでよく分かる。花の命は短いというが、この花は6月頃から12月までの長い間咲いていて、花の少ない初冬の頃の散歩を楽しませてくれる。 分類 キク科 コゴメギク属 1年草 分布 北アメリカ原産 北海道~九州 道路脇 空地 畑 花期 6~12月 高さ 10~60cm ![]() ![]() |