オオイヌノフグリ



 春まだ浅い頃から、南に面した日溜りにポツポツと花が開き、やがて辺り一面瑠璃色の玉を撒き散らしたように一斉に開花する様は、えも言われぬ美しさがあります。一つ一つは平凡でも、このように群生すると見応えがあります。

 オオイヌノフグリ。ちょっと変わった名前ですが、花の後にできる果実が犬のふぐり(睾丸)に似ているところから付けられたといいます。在来種にイヌノフグリというのがありますが、こちらの方が丸みがあって犬の睾丸の形に近いようです。オオイヌノフグリは花がイヌノフグリよりも少し大きいところからオオが付けられました。

 それにしても気の毒な名前が付けられたものです。それも花ではなく果実からの連想とは。他に、星の瞳とか瑠璃唐草といったきれいな名もあるようですが普及していません。

 いぬふぐり 星のまたたく 如くなり  高浜虚子
  (いぬふぐりは早春の季語です。)

 オオイヌノフグリの原産地は、ユーラシア・アフリカで、日本には明治初期に渡来した帰化植物です。繁殖力旺盛で、今では日本全土に生えています。花は茎の上部の葉腋から花柄を出しその先に1つの花が咲きます。日が当たると一斉に開き、日陰になったり夕方になると閉じてしまいます。その時雄蕊から雌蕊に受粉するそうです。

  分類 オオバコ科 クワガタソウ属
  分布 ユーラシア・アフリカ原産。 本州~沖縄
  花期 2~5月
  高さ 15~30㎝ 地に這って広がるので高さは感じません。







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