春されば 木末隠れりて うぐひすそ 鳴きて去ぬなる 梅が下枝に | 5-827 山地若麻呂 |
春の野に 鳴くやうぐひす なつけむと 我が家の園に 梅が花咲く | 5-837 志氏大道 |
梅の花 散り紛ひたる 岡辺には うぐひす鳴くも 春かたまけて | 5-838 榎氏鉢麻呂 |
うぐひすの 音聞くなへに 梅の花 我が家の園に 咲きて散る見ゆ | 5-841 高氏老 |
我がやどの 梅の下枝に 遊びつつ うぐひす鳴くも 散らまく惜しみ | 5-842 高氏海人 |
うぐひすの 待ちかてにせし 梅が花 散らずありこそ 思ふ児がため | 5-845 門氏石足 |
春されば ををりにををり うぐひすの 鳴く我が山斎そ 止まず通はせ | 6-1012 葛井広成 |
鹿背の山 木立を繁み 朝去らず 来鳴きとよもす うぐひすの声 | 6-1057 田辺福麻呂 |
百済野の 萩の古枝に 春待つと 居りしぐひす 鳴きにけむかも | 8-1431 山部赤人 |
うち霧らし 雪は降りつつ しかすがに 我が家の園に うぐひす鳴くも | 8-1441 大伴家持 |
霞立つ 野の上の方に 行きしかば うぐひす鳴きつ 春になるらし | 8-1443 丹比真人乙麻呂 |
うちなびく 春立ちぬらし 我が門の 柳の末に うぐひす鳴きつ | 10-1819 作者未詳 |
梅の花 咲ける岡辺に 家居れば 乏しくもあらず うぐひすの声 | 10-1820 作者未詳 |
春霞 流るるなへに 青柳の 枝くひ持ちて うぐひす鳴くも | 10-1821 作者未詳 |
冬ごもり 春さり来れば あしひきの 山にも野にも うぐひす鳴くも | 10-1824 作者未詳 |
紫草の 根延ふ横野の 春野には 君をかけつつ うぐひす鳴くも | 10-1825 作者未詳 |
春されば 妻を求むと うぐひすの 木末を伝ひ 鳴きつつもとな | 10-1826 作者未詳 |
梓弓 春山近く 家居らば 継ぎて聞くらむ うぐひすの声 | 10-1829 作者未詳 |
うちなびく 春さり来れば 篠の末に 尾羽打ち触れて うぐひす鳴くも | 10-1830 作者未詳 |
山のまに うぐひす鳴きて うちなびく 春と思へど 雪降りしきぬ | 10-1837 作者未詳 |
梅が枝に 鳴きて移ろふ うぐひすの 羽白たへに 抹雪そ降る | 10-1840 作者未詳 |
うぐひすの 春になるらし 春日山 霞たなびく 夜目に見れども | 10-1845 作者未詳 |
朝な朝な 我が見る柳 うぐひすの 来居て鳴くべき 森にはやなれ | 10-1850 作者未詳 |
うぐひすの 木伝ふ梅の うつろへば 桜の花の 時かたまけぬ | 10-1854 作者未詳 |
いつしかも この夜の明けむ うぐひすの 木伝ひ散らす 梅の花見む | 10-1873 作者未詳 |
白雪の 常敷く冬は 過ぎにけらしも 春霞 たなびく野辺の うぐひす鳴くも | 10-1888 作者未詳 |
春山の 友うぐひすの 鳴き別れ 帰ります間も 思ほせ我を | 10-1890 作者未詳 |
春山の 霧に迷ヘる うぐいすも 我にまさりて 物思はめやも | 10-1892 作者未詳 |
春されば まづ鳴く鳥の うぐひすの 言先立ちし 君をし待たむ | 10-1935 作者未詳 |
うぐひすの 通ふ垣根の 卯の花の 憂きことあれや 君が来まさぬ | 10-1988 作者未詳 |
あしひきの 山谷越えて 野づかさに 今は鳴くらむ うぐひすの声 | 17-3915 山部赤人 |
うぐひすの 鳴くくら谷に うちはめて 焼けは死ぬとも 君をし待たむ | 17-3941 平群氏女郎 |
うぐひすの 鳴き散らすらむ 春の花 いつしか君と 手折りかざさむ | 17-3966 大伴家持 |
うぐひすの 来鳴く山吹 うたがたも 君が手触れず 花散らめやも | 17-3968 大伴池主 |
山吹の 繁み飛び潜く うぐひすの 声を聞くらむ 君はともしも | 17-3971 大伴家持 |
うぐひすは 今は鳴かむと 片待てば 霞たなびき 月は経につつ | 17-4030 大伴家持 |
袖垂れて いざ我が園に うぐひすの 木伝ひ散らす 梅の花見に | 19-4277 藤原永手 |
み園生の 竹の林に うぐひすは しば鳴きにしを 雪は降りつつ | 19-4286 大伴家持 |
うぐひすの 鳴きし垣内に にほへりし 梅この雪に うつろふらむか | 19-4287 大伴家持 |
春の野に 霞たなびき うら悲し この夕影に うぐひす鳴くも | 19-4290 大伴家持 |
うぐひすの 声は過ぎぬと 思へども しみにし心 なほ恋ひにけり | 20-4445 大伴家持 |
み雪降る 冬は今日のみ うぐひすの 鳴かむ春へは 明日にしあるらし | 20-4468 三形王 |
あらたまの 年行き反り 春立たば まづ我がやどに うぐひすは鳴け | 20-4490 大伴家持 |
うちなびく 春とも著く うぐひすは 植ゑ木の木間を 鳴き渡らなむ | 20-4495 大伴家持 |
他に長歌 6-948 6-1053 9-1755 13-3221 17-3969 19-4166 他に序に 17-3965 17-3967 |
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