き ぎ し
キジ 雉
春の野に あさる雉の 妻恋に 己があたりを 人に知れつつ 8−1446 大伴宿禰家持 雉鳴く 高円の辺に 桜花 散りて流らふ 見む人もがも 10−1866 作者未詳 あしひきの 片山雉 立ち行かむ 君に後れて 現しけめやも 12−3210 作者未詳 杉の野に さ躍る雉 いちしろく 音にしも鳴かむ 隠り妻かも 19−4148 大伴宿禰家持 あしひきの 八つ峰の雉 鳴きとよむ 朝明の霞 見れば悲しも 19−4149 大伴宿禰家持 他に長歌 388 478 863 3310 キジ キジ目 キジ科 日本の国鳥。日本の本州以南から屋久島まで分布し、平地から山地の林縁や開けた場所に生息している。夜は樹上で寝る。肉は美味しく、肉食用として飼育されている。狩猟用として放鳥されたものが野生化した。 雄は繁殖期にはケーン、ケーンと大きな声で鳴き、翼をブルブルと振る。このため居場所がすぐに知られてしまう。「雉も鳴かずば撃たれまい」ということわざがある。 1446の家持の歌は、春の野で、餌をあさる雉が妻恋しさにケーンケーンと大きな声で鳴いている。自分のいるところが人に知られてしまうのに。 春は雉の繁殖期。上の習性を詠っているが、射られなければ良いがと思っているのだろうか。 |