葦辺行く 鴨の羽かひに 霜降りて 寒き夕へは 大和し思ほゆ | 1-64 志貴皇子 |
吉野なる 夏実の川の 川よどに 鴨そ鳴くなる 山影にして | 3-375 湯原王 |
鴨鳥の 遊ぶこの池に 木の葉落ちて 浮きたる心 我が思はなくに | 4-711 丹波大女娘子 |
外に居て 恋ひつつあらずは 君が家の 池に住むといふ 鴨にあらましを | 4-726 大伴坂上郎女 |
他に長歌 1-50 3-257 3-260 3-466 | |
磯に立ち 沖辺を見れば 海藻刈り舟 海人漕ぎ出らし 鴨翔る見ゆ | 7-1227 作者未詳 |
水鳥の 鴨の羽色の 春山の おほつかなくも 思ほゆるかも | 8-1451 笠女郎 |
埼玉の 小埼の沼に 鴨そ翼霧る 己が尾に 降り置ける霜を 払ふとにあらし | 9-1744 高橋虫麻呂 |
水鳥の 鴨の住む池の 下樋なみ いぶせき君を 今日見つるかも | 11-2720 作者未詳 |
我妹子に 恋ふれにかあらむ 沖に住む 鴨の浮き寝の 安けくもなき | 11-2806 作者未詳 |
葦鴨の すだく池水 溢るとも 設溝の方に 我越えめやも | 11-2833 作者未詳 |
葦辺行く 鴨の羽音の 音のみに 聞きつつもとな 恋ひ渡るかも | 12-3090 作者未詳 |
鴨すらも 己が妻どち あさりして 後るる間に 恋ふといふものを | 12-3091 作者未詳 |
まを薦の 節の間近くて 逢はなへば 沖つま鴨の 嘆きそ我がする | 14-3524 東歌 |
水久君野に 鴨の這ほのす 児ろが上に 言をろ延へて いまだ寝なふも | 14-3525 東歌 |
沖に住も 小鴨のもころ 八尺鳥 息づく妹を 置きて来ぬかも | 14-3527 東歌 |
葦の葉に 夕霧たちて 鴨が音の 寒き夕し 汝をば偲はむ | 14-3570 東歌 |
鴨じもの 浮き寝をすれば 蜷の腸 か黒き髪に 露そ置きにける | 15-3649 作者未詳 |
水鳥の 鴨の羽色の 青馬を 今日見る人は 限りなしといふ | 20-4494 大伴家持 |
他に長歌 15-3625 17-3993 17-4011 | |