にこぐさ
ハコネシダ 似児草 尓古具佐 和草 爾故具佐
葦垣の 中のにこ草 にこよかに 我と笑まして 人に知らゆな
巻11−2762 作者未詳 ハコネシダ ホウライシダ科 ホウライシダ属 にこぐさは、今のハコネシダ(別名ハコネソウ)、アマドコロ、容花(ヒルガオなど)、あるいは固有の名前ではなく、柔らかく優しい草という意味など諸説がありますが、一般的にはハコネシダが支持されているようです。 ハコネシダの名前の由来は、元禄4(1691)年にドイツ人の医師で植物学者のケンペルが、箱根山で地元の人が産前産後の妊婦の薬草としているのを知って採集し、発表したことによります。 ハコネシダは、本州〜九州に分布し、生育環境は山中の岩崖の上とされています。であれば、3874歌に詠われている「川辺のにこ草」の環境と合わない気もしますが。4309の川は、七夕の歌ですから天の川。 歌の意味は、葦垣の中のにこ草のように、そんなににこにこと私に笑顔を見せて、あなたとの仲を人に知られないようにしてくださいな。 その他のにこぐさの歌 足柄の 箱根の嶺ろの にこ草の 花つ妻なれや 紐解かず寝む 巻14−3370 東歌 射ゆ鹿を 認(つな)ぐ川辺の にこ草の 身の若かへに さ寝し児らはも 巻16−3874 作者未詳 秋風に なびく川辺の にこ草の にこよかにしも 思ほゆるかも 巻20−4309 大伴家持 |