夏葛の 絶えぬ使ひの よどめれば 事しもあるごと 思ひつるかも | 4ー649 大伴坂上郎女 |
太刀の後 鞘に入野に 葛引く我妹 ま袖もち 着せてむとかも 夏草刈るも | 7ー1272 柿本人麻呂歌集 |
をみなへし 佐紀沢の辺の ま葛原 いつかも繰りて 我が衣に着む | 7ー1346 作者未詳 |
萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花 | 8ー1538 山上憶良 |
他に長歌 3-423 6-948 | |
藤波の 咲く春の野に 延ふ葛の 下よし恋ひは 久しくもあらむ | 10ー1901 作者未詳 |
ほととぎす 鳴く声聞くや 卯の花の 咲き散る岡に 葛引く娘子 | 10ー1942 作者未詳 |
ま葛延ふ 夏野の繁く かく恋ひば まこと我が命 常ならめやも | 10ー1985 作者未詳 |
雁がねの 寒く鳴きしゆ 水茎の 岡の葛葉は 色付きにけり | 10ー2208 作者未詳 |
我がやどの 葛葉日に異に 色付きぬ 来まさぬ君は 何心そも | 10ー2295 作者未詳 |
ま葛延ふ 小野の浅茅を 心ゆも 人引かめやも 我がなけなくに | 11ー2835 作者未詳 |
水茎の 岡の葛葉を 吹き返し 面知る児らが 見えぬころかも | 12ー3068 作者未詳 |
赤駒の い行きはばかる ま葛原 何の伝て言 直にし良けむ | 12ー3069 作者未詳 |
大崎の 荒磯の渡り 延ふ葛の 行くへもなくや 恋ひ渡りなむ | 12ー3072 作者未詳 |
上野の 久路保の嶺ろの 葛葉がた かなしけ児らに いや離り来も | 14ー3412 東歌 |
梨棗 黍に粟次ぎ 延ふ葛の 後にも逢はむと 葵花咲く | 16ー3834 作者未詳 |
高円の 野辺延う葛の 末つひに 千代に忘れむ 我が大君かも | 20ー4508 中臣清麻呂 |
延ふ葛の 絶えず偲はむ 大君の 見しし野辺には 標結ふべしも | 20ー4509 大伴家持 |