里山歩き


レトロの街青梅から塩船観音へ


2012.5.11歩く

コ ー ス  徒歩約2時間5分

JR青梅線青梅駅(5分)昭和レトロ商品博物館(15分)青梅鉄道公園(30分)勝沼城址(10分)吹上しょうぶ公園(5分)宗泉寺(20分)塩舟観音寺(40分)河辺駅

 昭和をテーマとしたレトロの街で売り出している青梅。昭和レトロ商品博物館や赤塚不二夫会館のほかにも、懐かしい店構えをしている商店が並ぶ。そんな町並みを懐かしんだ後、吹上しょうぶ公園からつつじの塩船観音を訪ねた。
 しかし、つつじとしょうぶの開花は1ヶ月程づれている。花を両方愉しむのは無理だったが、変化に富んだ街歩き・里山歩きになった。



JR青梅駅
 最寄り駅、青梅駅へは、東京駅から中央線快速で立川までおよそ1時間。途中新宿からだと40分。ここから青梅線に乗り換えて30分ほどで青梅駅に着く。
 

映画の看板絵
 駅前通りを南下してすみえ通りに出たら左に折れる。あちらこちらに懐かしい映画の看板絵が掲げられている。よく映画館に通った頃を懐かしみながらそぞろ歩くのも楽しい。(看板の下の番号は、駐車場所を示すもので、看板の番号ではありません。)
 看板絵は青梅生まれの久保板観氏の作品。久保板観氏は、映画全盛の頃は1日1枚のペースで描き続けたというプロの看板師としての第一人者。その作品が町おこしの看板となって、訪れる人の目を楽しませている。

昭和レトロ商品博物館
 青梅市は昭和をテーマに町おこしに取り組んでいるが、その中心的なところ。レトロ商品博物館では菓子、文具、雑貨など懐かしい昭和の商品パッケージを収集・展示している。
 隣の赤塚不二夫会館では、多くの漫画家の原点となったトキワ荘をイメージした部屋や、氏の原画などか展示されている。

昭和レトロ商品博物館を過ぎてすぐ左に入る道を行く。青梅線を渡り左に行くとすぐ右手に長い石段があるのでこれを上る。

青梅市総合グランド
 上りきったところが総合グランド。ベンチやトイレなどの施設もあり、一休みして行くのに良い。

 グランドの縁に沿って反対側の出口(入口?)から車道を行くと、程なく右手に青梅鉄道公園がある。

青梅鉄道公園
 青梅市の北側丘陵の一角に、昭和37年(1962)鉄道開業90年記念事業として開設したもの。
 園内には、新橋〜横浜間に開業したわが国最初の鉄道で走った110形からD51形までの8両の蒸気機関車、ED16形電気機関車の1号機、それにクモハ40形電車、0系新幹線電車のそれぞれ実物が展示されている。
 記念館には、鉄道模型が走るジオラマや車両を解説するパネルなどが展示されているほか、運転シミュレーター機器や遊具機器もあって子供達の人気を集めている。  

北向地蔵尊
 鉄道公園を右手に見て永山通りを行く。途中細い霞川の対岸に北向地蔵尊がある。
 兜を着けた将軍形地蔵尊でちょっと珍しいもの。元文2年(1737)に建立されたもの。また、北向地蔵は大変御利益があるといわれ、子供の夜泣き、寝小便、そして安産の祈願にお参りする人が多いという。

 霞川に沿ってなおも下って行くと成木街道に出る。突き当たったところが青梅第4小学校。信号を渡って左へ行き、次の信号を右へ小学校を回り込むように城山通りを行く。やがて左手に光明寺があるので、その手前を左に入る。

 右上に師岡神社、次いで光明寺の墓地を見て緩く上がって行くと左に配水場がある。その前の山道を入ったところが勝沼城址。

勝沼城址
 鎌倉時代末期から多摩川上流域を支配していた三田氏守、政定父子が本拠地としていた平山城。滝山城主だった北条氏照に攻められ、二俣尾の辛垣城に移るもそこで滅亡した。
 その後北条家の家臣師岡将景の居城となったが、天正18年(1590)豊臣秀吉の小田原城攻めにより、北条氏が滅ぶと共に師岡氏も滅び、ここは廃城となった。
 4つの郭と土塁、空堀が比較的分かりやすく残っている。
 昭和50年、東京都はこのあたり一帯を歴史環境保全地域として指定した。

宝鐸草
 樹下に沢山の宝鐸草が咲いていた。
 お寺の堂塔の軒下に吊るす宝鐸に似ているところからこの名がある。山野の林の下に生えるユリ科チゴユリ属の多年草で、4〜5月にかけて近郊の低山で良く見かける。高さは30〜60cm位で枝分かれした先に1〜3個の花をつけている。

 山道を木の根など注意しながらゆるやかに下って行くと左下にしょうぶ園が見える。そこで道は分かれるので左下へ戻るように下って行く。下りきったら右へしょうぶ園を回り込むようにフェンスに沿っていく。

吹き上げしょうぶ公園
 緑に囲まれた谷戸地を保全するために造られた公園、というより湿生花園。
 約2.1haの園内に、210種10万本のハナショウブを植栽している。見頃は6月で、6月には花しょうぶ祭りが開催される。まつり期間中は入園料200円を要するが、それ以外の期間は無料開放される。  

宗泉寺
 しょうぶ公園の正面を出て道なりに東へ進むと城山通りに出る。これを左に行くとすぐに宗泉寺。門前に高さ24.5m、幹周り4.3mのカヤの木(都指定天然記念物)が聳えている。
 宗泉寺は、天文19年(1550)師岡将景の開基により創建されたと伝える。本尊は地蔵菩薩。

塩船観音寺
 宗泉寺を出て城山通りを先に進むと500mほどで塩船観音入口の標識がある。ここを左へ観音通りをゆるやかに上って行く。道は下りとなり、小さな川を渡り右へ大きくカーブするとすぐ先左に塩船観音の仁王門がある。
 開創は古く、大化年間(645〜650)に、若狭の尼僧八百比丘尼が草庵を結んだのが最初と伝える。
 真言宗醍醐派の別格本山。茅葺の趣のある本堂は室町末期の建立と伝えられており、鎌倉時代文永元年(1264)作の本尊十一面観音菩薩像を安置する。
 平成22年に開創1350年を記念して、境内を見下ろす高台に総高15mの平和観音像が建立された。

花の寺
 境内にはおよそ2万本ものつつじが植えられ、4月下旬から5月中旬までの花の開花時期は見事で、この期間つつじ祭りが開催され大勢の人で賑わう。ツツジの後もアジサイ、ユリ、ハギなどの花が咲き続け、花の寺としても知られている。
 なお、つつじまつりの期間中は拝観料300円だが、それ以外の期間は境内自由拝観。

 塩船観音の名の由来は、この地の周囲が小高い丘に囲まれており、舟の形に似ているところから、仏衆生を救おうとする大きな願いの船である「弘誓の舟」になぞられてつけられたとある。(同寺のパンフレットより)

 八百比丘尼
 人魚の肉を口にすると不老不死になるという。比丘尼はその肉を食べ800年の寿命を得たという。その姿は肉を口にした15・6歳の姿そのままで、諸国を旅し、行く先々で人々の病気を治したという伝説の尼僧。

 塩船観音を出て観音通りを南へ河辺駅に向かう。右手に吹上中学校や小学校を見ながら行く。ところどころ長閑な茶畑が残るがほとんど住宅街。要所に指導標があるので間違うことはないだろう。
 豊岡街道を渡り、河辺北大通りを行く。最後に青梅街道を渡ると青梅線河辺駅は近い。  

青梅線河辺駅
 広くてすっきりした河辺北大通りを行くと突き当りが河辺駅。青梅線で立川経由で戻る。  




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