清 澄 庭 園
ここは、元禄の頃豪商紀伊国屋文左衛門の屋敷があったところと伝えられている。 享保年間に下総国関宿藩の下屋敷になっていたものを、明治11年に岩崎弥太郎が取得し、社員の親睦と貴賓を招待する場として造園した。 大正12年9月の関東大震災ではここを避難場所として開放し、これにより多くの市民が助かったという。震災後は東京市に寄贈され、昭和7年東京市の公園「清澄庭園」として開園された。 当初は隅田川の水を引き入れた大泉水(今は天水による)を中心に、周囲に築山を築いた「回遊式林泉庭園」で、特徴は全国から取り寄せた数々の銘石を各所に配されている点である。 昭和54年に東京都の名勝に指定された。 |
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大正記念館 大正天皇の葬儀の時に用いられた葬場殿を移築されていたが、当初のものは戦災で焼失したため、昭和28年に貞明皇后の葬場殿の材料を使って再建された。現在は集会場として利用されている。 |
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名石 佐渡赤玉石、伊豆磯石、伊予青石、生駒石、伊豆式根島石、讃岐御影石など、庭石としてよく用いられる名石が全国各地から集められ、園内各所に配置されている。原石そのものや水鉢、春日灯篭、多重搭などに加工されたものまで様々だが、それぞれに名札が付けられているので分かりやすい。さながら石の展示場のようだ。 |
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大磯渡り 池の端に石を置いて渡っていけるようにしたもの。左に見えるのは松島の雪見灯篭。 |
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涼亭 数寄屋造りの建物で、池に浮かぶように突き出して建てられている。明治42年、英国のキッチナー元帥が国賓として来日した時、迎えるために建てられた。この庭園を日本情緒豊かなものにするための点景となっている。昭和60年に全面改築され、今は集会場として利用されている。 |
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中の島 大泉水には三つの島を浮かべる。その一つ中の島へはこの橋で渡ることができる。 |
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石仏群 庭園の東南隅にある。最も古いのが右端の庚申搭で、寛文10(1670)年の銘がある。真中が法印慶光供養塔(阿弥陀仏・延宝7(1679)年)、左奥の庚申搭(文化12(1815)年)、左手前の馬頭観音供養塔(安永3(1774)年)の4体で、各所にあったものが、明治の造園の時にここにあてめられ安置されたのだろう。 |
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富士山 園内の最高地がここ富士山。背後の樹木が高く繁ってそれと分かりづらいが、斜面のツツジが咲くと絵画的で美しいだろう。 |
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枯滝 小さな石を敷いて滝の流れを表している。 |
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花菖蒲田 園内では、1月の水仙・椿に始まり、6月の紫陽花・花菖蒲を経て、12月の山茶花まで、四季折々咲く花が訪れる人の目を楽しませてくれる。 |
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芭蕉の句碑 園内自由広場の一角に松尾芭蕉の 「古池や かはづ飛び込む 水の音」 の立派な句碑がある。昭和9年其角堂9代目の晋永湖という神田生まれの俳人が芭蕉庵(現在の都旧跡深川芭蕉庵跡)のあったところに建てたものを、芭蕉庵改築の時にこの地に移したという。 |
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春日燈籠 涼亭も前にある本御影で作られた春日燈籠。園内には他にも石造りの九重、十一重の塔や燈籠が各所に建てられている。 |
所在地 東京都江東区清澄3−3−9 アクセス 東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線清澄白河駅から徒歩3分 入園料 150円 65歳以上70円 無料公開日 5月4日(みどりの日)、10月1日(都民の日) 休園日 年末年始(12/29〜1/1) 開園時間 9時〜17時(入園は16時30分まで) |