街歩き
飛鳥山公園から旧古河庭園を歩く
2005.05.26歩く
落語で有名な王子稲荷神社から桜の名所飛鳥山公園を経て旧古河庭園まで歩いた。途中さほど遠くない距離に神社あり、公園ありで、それぞれの鬱蒼と茂る森を縫って歩くので街中とは思えず、ゆったりと森林浴を楽しみながら歩いた。 |
王子駅 スタートはJR王子駅。音無公園口を出るとすぐ公園入り口だが、ここは右手の森下通りの商店街を行く。 |
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王子稲荷神社 狭い商店街を10分ほど進むと左側に王子稲荷神社が現われる。 関東の稲荷神社の総社。大晦日に関東一円から多くの狐がここに集まり、おびただしい狐火が見られ、それによって翌年の豊凶を占ったと言う言い伝えがある。 今も大晦日の夜装束稲荷神社に集まり、狐のお面や装束をして王子稲荷神社へ正月の参拝する行事が地元の人により行なわれている。 |
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名主の滝公園 王子稲荷神社を出て先に行くと程無く左側に公園入り口がある。 嘉永年間(1848年〜1854年)王子村の名主畑野孫八が自邸に開いた庭園。 台地の斜面を上手く利用して作ってあり、園内の滝は王子七滝の一つとして知られる。かって音無川沿いに王子七滝があったが残るのはここだけ。 |
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桜や楓など鬱蒼と茂る森の中に女滝・男滝・独鈷の滝・湧玉の滝。さらに池や流れを上手く配置して静かな趣のある庭園となっている。 |
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三平坂 正門を出て左へ公園に沿って細い曲がりくねった坂を上がっていく。昔はこの上の農家の人が水田に下る道であったり、名主の滝へ行く道だったというが、今はぎっしりと住宅が密集し、水田のあったのどかな風景は想像も出来ない。 公園を回り込むように細い路地のような道を行くと、先程の王子稲荷神社から上がってきた道のところに出る。ここを右へ折れ岩槻街道に出て左へ進むとやがて王子神社の石燈籠が見えてくる。 |
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王子神社 鎌倉時代この地の豪族豊島氏が熊野から若一王子を勧請して祀ったのが始まりといわれている。 祭神は伊弉諾尊・伊弉冉尊・天照大神。 |
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本殿に向かって右手に都の天然記念物のイチョウの木がある。豊島氏が植えたものと伝えられ、樹高20m以上ありうっそうとしてなかなか立派な木だ。 ここから石段を下りたところが音無親水公園だ。 |
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音無親水公園 音無川(石神井川)に沿って石畳の遊歩道が続く。樹下を散歩する人、木陰のベンチで涼を取りながら憩う人。都民の憩いの場となっている。 |
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川底には遊歩道を作り、小さな流れを利用してミニチュアの水車を置いたり石や木の根を上手く配置し箱庭のように整備している。 「新編武蔵風土記稿」には、このあたりの高台から飛鳥山が手に取るように見え、目の下には音無川が勢い良く流れ、石堰に当たる水の音が響き、谷間の樹木が見事で、実に優れているとあり、かつては投げ網や泳ぐことも出来たそうだが、今の姿からは想像もではない。 |
都電荒川線 音無親水公園から石段を上がって岩槻街道に出るとすぐ先に飛鳥山公園が見えてくる。公園への歩道橋を渡るその下を走るのが唯一残る都電。三ノ輪から王子・飛鳥山公園をぐるっと回り込んで早稲田に通じている。 |
飛鳥山公園 八代将軍吉宗は、鷹狩の際にしばしば飛鳥山を訪れていたが、享保5年(1720)から翌年にかけて1270本の山桜の苗を植栽した。元文2年(1737)にこの地を王子権現社に寄進したが、その頃より江戸庶民にも解放され、花の時期には多くの花見客で賑わうようになり今に至っている。 |
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飛鳥山の碑 吉宗がここを公共園地として整備したのを記念して、幕府の儒臣成島道筑が作成した碑。碑文には豊島氏が王子権現を勧請したことや、王子・飛鳥山・音無川の地名の由来などが書かれているとのことだが、「飛鳥山なんと読んだか拝むなり」と言われるほど難解な碑文として知られている。都指定有形文化財(古文書) |
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園内には旧渋沢家から移された渋沢史料館、北区飛鳥山博物館、紙の博物館や子供の遊園地などもあり、ここでは十分時間をとりたい。 |
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西ヶ原一里塚 飛鳥山公園を出ると前方道路の真ん中にこんもりと榎が繁っている。日光御成道(岩槻街道)の一里塚で、日本橋から2里目に当たる。 一里塚は各街道に1里毎に道の両側に塚を築き多くは榎を植え、旅人の道程の目安とした。23区内に18箇所あった一里塚の内ほぼ原形を留めているのはここだけという。国指定の史跡。 すぐ左に七社神社、続いて滝野川警察・印刷局・滝野川消防署と続いて旧古河庭園に至る。 |
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旧古河庭園 元は明治の元勲陸奥宗光の別邸。宗光の次男潤吉が古河財閥の養子になったとき古河家の所有となった。洋館と洋風庭園の設計者は英国人建築家コンドル。日本庭園の設計は京都の庭師小川治兵衛。旧古河庭園は大正初期の庭園の原形を残すものとして東京都の名勝となっている。 春のツツジ、春秋のバラが美しい。 ここから本郷通りを15分ほどでJR駒込駅。 |
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郷土玩具・王子の狐 王子稲荷神社の狐に由来するもので、交通安全のお守りとして買われている。 |