滝前不動尊



 我孫子ゴルフ場の南、岡発戸にある滝前不動。手賀沼ふれあいラインの一つ北側にある旧道に面しており、旧道から石段を登るとお堂がある。曹同宗白泉寺の末寺として文化13年(1816年)の創建と伝えるが、現在は正泉寺が管理している。
 ここは、寛平年中(889~898)に平高望王が空海作の不動尊像を祀ったところと言われている。その後堂は損壊し、不動尊像はいまは中峠不動尊の像の胎内に納められているという。

 お堂の前に藤棚があるが、志賀直哉の作品「矢島柳堂」に登場する。



不動の滝
 石段の右手には、かつていかなる大旱にも涸れない丈余の滝があって、これが名前の由来になったといわれている。今は石組みの上の細い管からわずかな水が落ちる程度だ。

滝のすぐ横に松尾芭蕉の

 清滝や 波にちりこむ 青松葉 はせを

の句碑が建てられている。これは、慶応3年(1867年)に取手の商人の建てたものだが、芭蕉がここに来た記録はない。したがってこの句もここで詠んだものではなく、京都の清滝を詠んだものと言われている。



 堂の左には太子堂がある。新四国相馬霊場八十八ヶ所の36番札所となっている。かつては茶店もあって、霊場巡礼や、藤の花見客で賑わったらしい。

場   所  我孫子市岡発戸1271
アクセス  成田線東我孫子駅駅から徒歩30分


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