水神山古墳



 水神山古墳は、千葉県我孫子市の手賀沼の北側、高野山台地の南端に、手賀沼を見下ろすようにして築造された前方後円墳。

 昭和40年に東大考古学研究室により発掘調査が行われた。発掘前の計測では全長63mであったが、調査結果に基づき築造当時の姿に忠実に復元しかところ、主軸は東西方向で、全長69m、西方にある後円部の直径は36m、高さ5m、前方部の幅は33mであり、周濠部を含めた全長は81.5mであることが分かった。これは我孫子はもとより、東葛地区で最大の古墳である。


 後円部墳頂



 後円部の墳頂下0.6〜1.5mのところに割竹型木棺が埋葬されていて、そこからはガラス玉280余個、ガラス管玉1個、滑石管玉1個、刀子2本、針数本の副葬品が発掘された。このガラス玉は首飾りとされています。現在我孫子市教育委員会(我孫子市我孫子1684番地)の1階入口ロビーに展示されており、自由に見ることができる。


 後円部から見た前方部

 前方部からは祭祀に使われたと思われる土師器の壺が見つかっているが、埴輪がなかったことから、当地に埴輪が出現する前の4世紀末から5世紀半ばに築造された古墳と言われている。


 前方部から見た後円部

 さらに、武器類が埋葬されていなかったことや、上記の副葬品からみて、被葬者は女性ではなかったかとみられている。

 権威の象徴として、一帯を見渡せる高台にこれだけ大きな墳墓を築造できた首長、それも女性の首長だとしたら、どのよう人物だったのか。想像するだけでも楽しい。

 周囲はぎりぎりまで住宅が密集しており、南面は樹木が茂っていて手賀沼は望めないが、墳墓はきれいに保存されている。平成4年に千葉県の指定史跡となった。

場  所  高野山440
アクセス  JR天王台駅・東我孫子駅から 徒歩35分
       JR我孫子駅からバスで市役所前下車 徒歩17分


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