ねつこぐさ
オキナグサ 根都古倶佐
芝付の 御宇良崎なる ねつこ草 相見ずあらば 我恋ひめやも 14−3508 作者未詳 オキナグサ キンポウゲ科 オキナグサ属 翁草。山野の日当たりの良い河原や草地に生える多年草。高さ10cmの花茎の先に鐘形の花を下向きにつける。花弁のように見えるのは萼片で、内側は暗紫赤色。花が終わると多数の花柱が伸び白い毛が密生する。これが老人の白髪に似ているところから翁草の名がある。花茎も40cmくらいまで伸びる。 翁草が、ねつこぐさと言われるのは、この花の根が直根で太いところから根っ子草と言われたらしい。 この歌のねつこぐさには共寝をした若い娘(寝つ娘)が重ねられている。 歌意は、芝付の御宇良崎にあるねつこ草のようなあの娘に逢わなければ、私はこうも恋い慕わなかっただろうに。 東歌だから、御宇良崎は三浦半島のどこかの崎だと思われるが。 |