須磨の海人の 塩焼き衣の 藤衣 間遠にしあれば いまだ着なれず | 3‐413 大網公人主 |
恋しけば 形見にせむと 我がやどに 椊ゑし藤波 今咲きにけり | 8ー1471 山部宿禰赤人 |
我がやどの 時じき藤の めづらしく 今も見てしか 妹が笑まひを | 8ー1627 大伴宿禰家持 |
藤波の 咲く春の野に 延ふ葛の 下よし恋ひば 久しくもあらむ | 10ー1901 作者未詳 |
藤波の 散らまく惜しみ ほととぎす 今城の岡を 鳴きて越ゆなり | 10ー1944 作者未詳 |
春日野の 藤は散りにて 何もかも み狩の人の 折りてかざさむ | 10ー1974 作者未詳 |
ほととぎす 来鳴きとよもす 岡辺なる 藤波見には 君は来じとや | 10ー1991 作者未詳 |
大君の 塩焼く海人の 藤衣 なれはすれども いやめづらしも | 12ー2971 作者未詳 |
かくしてそ 人の死ぬといふ 藤波の ただ一目のみ 見し人故に | 12ー3075 作者未詳 |
春へ咲く 藤の末葉の うら安に さ寝る夜そなき 児ろをし思へば | 14ー3504 東歌 |
妹が家に 伊久里の社の 藤の花 今来む春も 常かくし見む | 17ー3952 大原高安真人 |
藤波の 咲き行く見れば ほととぎす 鳴くべき時に 近付きにけり | 18ー4042 田辺史福麻呂 |
明日の日の 布瀬の浦廻の 藤波に けだし来鳴かず 散らしてむかも | 18ー4043 大伴宿禰家持 |
他に長歌 13-3248 17-3993 17-3967序 17ー3969序 | |
藤波の 花の盛りに かくしこそ 浦漕ぎ廻つつ 年にしのはめ | 19ー4188 大伴宿禰家持 |
ほととぎす 鳴く羽触れにも 散りにけり 盛り過ぐらし 藤波の花 | 19ー4193 大伴宿禰家持 |
藤波の 影なす海の 底清み 沈く石をも 玉とそ我が見る | 19ー4199 大伴宿禰家持 |
多祜の浦の 底さへにほふ 藤波を かざして行くかむ 見ぬ人のため | 19ー4200 内蔵忌寸縄麻呂 |
いささかに 思いひて来しを 多祜の浦に 咲ける藤見て 一夜経ぬべし | 19ー4201 久米朝臣広縄 |
藤波を 仮廬に造り 浦廻する 人とは知らに 海人とか見らむ | 19ー4202 久米朝臣継麻呂 |
藤波の 茂りは過ぎぬ あしひきの 山ほととぎす などか来鳴かぬ | 19ー4210 久米朝臣広縄 |
他に長歌 19-4187 19-4192 19-4207 | |