かはやなぎ
ネコヤナギ 川楊 河楊
あられ降り 遠江の 吾跡川柳 刈れども またも生ふといふ 吾跡川柳 巻7−1293 柿本朝臣人麻呂歌集 かはづ鳴く 六田の川の 川柳の ねもころ見れど 飽かぬ川かも 巻9−1723 絹 山のまに 雪は降りつつ しかすがに この川柳は 萌えにけるかも 巻10−1848 作者未詳 ネコヤナギ ヤナギ科 ヤナギ属 水を好み、川岸などによく生えているところから「かはやなぎ」の名が付けられたという。また現在名の「ネコヤナギ」は、花穂を猫の尻尾に見立てたもの。 日本全国に分布している。下部からよく枝分かれしており、高さは1〜3mくらいになる。 早春、葉よりも早く黄白色の穂のような花を咲かせる。これを生け花の材として良く使われているが、他にも庭木や護岸用として植えられている。 柳は再生力が強く、根元から切ってもすぐに枝を伸ばしてくる。1293の歌はこのことを詠っている。万葉集には、かわやぎ、かわやなぎとして3首詠われている。 1293の歌意は、(あられ降り)遠江の吾跡川の柳よ、刈っても刈ってもまた生えてくるという吾跡川の柳よ。 歌は5・7・7・5・7・7の旋頭歌。誰かへの思いを断ち切ろうとしても断ち切れないで、次々と思いがつのってくるとでも言いたいのだろうか。 あられ降りは、遠江に掛かる枕詞。霰が降るととぽとぽと大きな音がするというので遠に掛かる。また姦しいというので鹿島の枕詞にもなっている。 |