ももよぐさ
ノジギク 母ゝ余具佐
父母が 殿の後の ももよ草 百代いでませ 我が来るまで 巻20−4326 佐野郡の生玉部足国 ノジギク キク科 キク属 ここに詠われているももよ草はノジギクとしているが、他にもツユクサ、ヨモギ、リュウノウギクなどの説もあり、定説がない。 ノジギクは主として海岸の日当たりの良い傾斜地に生える多年草。地下茎を伸ばして増えていく。花期は10〜12月と比較的長く、舌状花は白色だが、後に淡紅色を帯びていく。このように花期が永いことや、毎年同じところに咲く多年草ということで、ももよ草に充てられたと思われる。 歌の意味は、父さん、母さんの住む家の裏に咲くももよ草。そのももよ草ではないが、どうか百歳までも元気でいてください。私が帰ってくるまでは。 これは、防人として出立する時に、父母の安全を祈って詠った歌である。 |