ス ズ メ


スズメ 20100106

留鳥 体長14.5cm 
日本全国 人家のあるところならどこにでもいる
草の種子や繁殖期には昆虫などを食べる


スズメ 20110130

 夕方散歩をしていると、夏の間オオヨシキリが騒々しかった葭原から、チュリチュリとこれまた騒々しいスズメの鳴き声が聞こえてきた。スズメは繁殖期には番で行動しているようだが、秋から冬にかけては集団で生活している。街中の大木や竹林の中、そしてこのような葭原をねぐらとし、夕方になると集まってくる。

 一度傍を通りかかったときに大きなくしゃみをしたら、一瞬静かになり、100羽以上のスズメが一斉に飛び立ち、近くの電線に止まった。いや、驚かせて、スマンスマンと通り過ぎると、やがて安心したのか元の葭原に降り立ってチュリチュリを始めた。

 スズメは、昔から人間に一番身近な鳥として親しまれてきた。子供の頃から昔話や童謡で親しみ、一番最初に覚えた野鳥がスズメだったように思う。が、そう思っているのはどうやら人間の方で、スズメの方はそうでもないらしい。

 ベランダに来たスズメをカーテン越しに覗いただけで、その気配を感じてさっと逃げ去る。どうも人間に対しては極端に警戒心が強いようだ。その証拠に電線に止まっているスズメの横に大きなカラスが止まっても一向に動じない。

 そんな臆病で、警戒心の強い習性を突いて、田んぼでは稲穂を守るため案山子を作ったり、大きな破裂音を流してスズメを追っ払っていた。そんないじめが、余計人間を警戒するという遺伝子となって受け継がれているのかもしれない。


スズメ 20091118

 「雀百まで踊り忘れず」ということわざがある。
 スズメは、地上を歩くとき、両足を交互に運ぶいわゆるウォーキングではなく、両足を揃えてピョンピョンと跳ぶようにして歩く。これをホッピングといっているが、この行動を踊っているように見立ててこのことわざが出来た。幼鳥のときから覚えたこの小躍り、死ぬまでその癖が抜けないということ。つまり、幼いときの習慣は年をとっても改まりにくいの例え。(雀は百年も生きられると思えないが)

 「雀の涙」 
 雀の涙はほんの少量であることから、少ないことの例え。(雀の涙なんてみたことはないが、他の鳥は沢山の涙を流すのでしょうか)

 「欣喜雀躍」という言葉がある。大喜びで小躍りすること。
 これもホッピングの様子から出た言葉。


スズメ 20091029

 スズメは奈良時代から、「すずめ」「すずみ」として、古事記や日本書紀にも登場するが、何故か万葉集には歌われていない。万葉集に歌われている鳥は50種ほどあるが、すずめは1首もない。あまりにも身近過ぎるのと、鳴き声や姿が地味で、顧みられなかったのかもしれない。そういえば、万葉集に詠まれている鳥は、時鳥、雁、鶯、鶴、鴨など、鳴き声や姿形に特徴のあるものが多い。