ヒ バ リ
ヒバリは日本人に古くから親しまれてきた鳥だ
万葉集以来数多くの歌や俳句に詠まれている
いろいろ鳴き分ける鳴声が美しく 愛玩用に飼育されたり
味が良いというので将軍家では鷹匠に捕らせ宮中に奉じたという
ヒバリの名は 晴れた日に空高く上がるので「日晴る」からとも
鳴き声から付けられたとの説もある
万葉集(19-4292)
うらうらに 照れる春日に ひばり上がり 心悲しも ひとりし思へば
万葉集(20-4433)
朝な朝な 上がるひばりに なりてしか 都に行きて はや帰り来む
万葉集(20-4434)
ひばり上がる 春へとさやに なりぬれば 都も見えず 霞たなびく
地上からほとんど垂直に飛び立ち空高く滞空しながら囀っている
揚げ雲雀といって その滞空時間は20秒~1分とどの本にもあった
この習性を利用して滞空時間の長さを競い合う競技もあり
江戸時代から行われ戦前まで続いていたようだ
「腕時計の針を見て 彼らの滞空時間を手帳に記録していた」
と 串田孫一が「博物誌」の中に書いていた
私も真似て散歩の途中やってみた
なんと昨年5分10秒を記録した 今のところチャンピオンだ
見失うまいと必死で見ていたので後で首と腰が痛くなった
巣に戻るときは 用心深く巣から少し離れたところに降り
地上を歩いて戻るようだ
だが舞い上がるときは直接だそうだからちょっと間が抜けた話だ