うぐひす

ウグイス   宇具比須 汗隅比須 干遇比須



梅の花 散らまく惜しみ 我が園の 竹の林に うぐひす鳴くも
                     5−824 少監阿氏奥島 



 ウグイス  スズメ目 ウグイス科 

 山地から平地の笹薮の中などで繁殖するが、冬は暖かい平地に降りて茂みの中で生活している。
 春、ホーホケキョと良く通る声で鳴くが、鳴き始めの春先は、ホキョとかケキョといった風にまだたどたどしい。茂みの中をせわしく移動するので、声は遠くからでも良く聞えるが、姿を見るのは難しい。

 底冷えのする大和の京の万葉人にとって、春は待ち遠しかったにちがいない。その春の訪れを告げるウグイスを詠んだ歌は、同じく春逸早く咲く梅の花を詠んだ歌とともに数多く詠われており、51首を数える。

 824の歌は、天平2年正月13日に大伴旅人の宅に集まって梅花の宴を催したときの歌。梅の花散る木下で、鶯の声に耳を傾けながら杯を酌み交わす優雅な光景が目に浮かぶ。このように梅の花とセットで詠われているものが多い。  


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