真間の継橋



足(あ)の音せず 行かむ駒もが 葛飾の 真間の継橋 止まず通はむ
                        14−3387 東歌


 JR市川駅から大門通りを北へ行くと正面に弘法寺の石段が見えてくるが、その手前に赤い欄干の橋がある。
 継橋とは、浅瀬の水中に杭を打ち、その上に板を継ぎ渡して幾つもの橋を継ぎ足したように見える橋のこと。万葉の頃はこの辺りまで東京湾の入り江だった。砂洲を繋いで幾つもの橋が架けられていたのだろう。  

   美女手児奈の元に通おうとする男たちも馬でこの橋を渡ったのだろう。すると板橋だから大きな音をたて皆に知られてしまう。人知れず静かに行きたいものだと願ったのがこの歌。  

 歌意は、足音を立てずに行く馬が欲しいものだ。そうすれば葛飾の真間の継橋を渡って絶えず通えるのに。

 この橋も、真間の井同様元禄の頃に伝説にもとづいて造られたもの。赤い欄干も何代か造り替えられているようだ。  



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