子 持 山



 子持山 若かへるての もみつまで 寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ
                      14−3494 作者未詳


 子持山は、沼田市と渋川市の境界にある円睡火山で、標高1296m。山頂の両側にコブがあり、これが子供を抱いているように見えるところから子持山と呼ばれるようになった。

 古くから性崇拝の山として知られており、麓にある子持神社は安産、子育ての守り神として参詣者が多い。登山道はここからあり、頂上までおよそ3時間。途中屏風岩や大黒岩などの奇岩があり、江戸期には修験道の霊場であったという。

 ここでも歌垣が行われていて、上の歌も、歌垣で詠われていたもの。
 歌意は、子持山の楓の若葉が、黄葉するまで寝ていたいと思っているが、お前はどう思う。春の歌垣で、気に入った娘を誘っているのだろう。

 巻14の中でも国名の分からない歌に分類されているように、他にも何箇所か子持山があるが、今ではここに定着している。


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