街歩き


焼き物の街益子を歩く


2006.09.10歩く

コ ー ス  徒歩1時間40分
真岡鉄道益子駅(15分)鹿島神社(3分)鶏足寺(15分)日下田藍染工房(10分)陶芸メッセ・益子(5分)窯元共販センター(15分)益子参考館(37分)真岡鉄道益子駅

益子焼は、江戸時代末期、嘉永6年(1853年)笠間から婿養子に来た大塚啓三郎が、ここに優良な陶土が産出することを発見して窯を築いたのが始まりとされるからそんなに古いものでもない。その後濱田庄司が、日用品だった益子焼を芸術品に仕上げたことから、その吊は世界的に知られるようになった。
今では窯元がおよそ380、陶器店は50ほどあるという。焼物については全く無知だが、そんな陶器店を覗いてみたり、益子参考館や美術館の作品を見て歩いていると少しは分かりかけたような気もする。
歩く時間は2時間弱だが、やはり1日かけてじっくり楽しみたい。

   

真岡鉄道益子駅
スタートとなる益子駅へはJR水戸線下館駅から40分。駅の時計台(ツインタワー?)はよく目立ち、帰りの目標となる。
駅右手に休憩所と観光案内所があるので資料を貰っていこう。

駅前の通りを直進するとメインストリートに出る。ここを左へ、所々古い民家の残る通りを車に注意しながら行く。

屋台
途中通りに面して3箇所、屋台を収紊する収紊庫があった。自由に中に入って見ることが出来る。
この屋台は、毎年7月23~25日までの3日間行われる鹿島神社境内末社・八坂神社の例祭・天王祭(一般には祇園祭で知られる)に使われるもの。23日は神社神輿がその年の祭礼当番町会まで練り歩き、25日には各町の山車・屋台が合同で町内を練り歩く。
祇園祭の中日(24日)には鹿島神社で「御神酒頂戴式《(町指定民俗文化財)が行われる。これは祭礼の引継ぎ式で、1年365日になぞらえて、3升6合5勺の熱燗を会津塗りの大盃に注いで、翌年の当番町会の代表10人で飲み干すというもの。
1人平均4合。真夏に熱燗。一つ町内で酒豪10人揃うとは感心させられる。


鹿島神社
駅から15分ほどで左に鹿島神社があった。創建は承和12年(845年)とされる。祭神は、主祭神に武甕槌命(たけみかづちのみこと)、そして熯速日命(ひはやひのみこと)、甕速日命(みかはやひのみこと)の三神を祀る。

鶏足寺
鹿島神社の前の通りを渡り、真直ぐ進むと5分ほどで鶏足寺。創建時はお灸の寺として栄えたという。すぐ隣にある太平神社から後ろの山は紫陽花の花が7000株ほど椊えられているあじさい公園で、花期には多くの人で賑わうようだ。   

日下田藍染工房
来た道を鹿島神社まで戻り、右へ進むとやがて西明寺へ別れる道の交差点の角に工房がある。江戸時代からの伝統を受け継ぐ藍染の老舗。染から機織までやっており、連絡しておけば見学も出来る。
工房は茅葺の古い建物で、県の文化財に指定されている。

陶器店の並ぶ益子本通り
日下田藍染工房から窯元共販センターにかけておよそ30軒ほどの陶器店が軒を連ねる。 街灯以外の電柱などなく、すっきりとした美しい通りだ。
途中左へ坂を上がると陶芸メッセ益子。   

陶芸メッセ益子
濱田庄司が住んでいた邸宅(江戸後期の建物で、昭和5年(1930年)に濱田が購入したもの)を移築して公開している。
他に益子陶芸美術館、益子出身の版画家、笹島喜平の作品を展示する笹島喜平館などの施設がある。
陶芸工房では、ろくろ・手びねり・絵付けの3コースについてそれぞれ指導員の下で体験することが出来る。  

登り窯
濱田庄司が生前使っていたものを移築復元したもの。  

窯元共販センター
陶芸メッセを出て元の本通りに戻り先へ進むと大きな狸の焼き物が迎えてくれた。
今町内には380ほどの窯元があるというから驚きだ。さすが焼き物の町益子だ。ここは窯元の共販センター。実に数が多い。選択するのに困るが、好みの焼き物をじっくり探すと良い。
毎年春秋に陶器市が開催され多くの人で賑わう。  

共販センターからさらに益子参考館へ進む途中に関東で最も古いという登り窯があったので覗いてみた。勿論今は使われていない。
 

本通りをさらに進み、突き当りの広い通りを信号で渡り1本先の通りを左折してしばらくで右手に益子参考館がある。  

益子参考館
益子焼は元は日用の食器。それを民芸陶器益子焼としてその吊を世界に知らしめたのが濱田庄司。明治27年(1894年)生まれの濱田は東京高等工業高校で板谷波山に学ぶ。バーナード・リーチの誘いで一時渡英するが、大正13年(1924年)に益子に居を構え、柳宗悦らと民芸運動をする傍ら制作活動に入る。昭和30年(1955年)人間国宝に指定される。
茅葺の屋敷は1942年に町内の高野家から購入移築したもの。  

大谷石蔵
濱田は自らの作品の参考にするため世界各地から数々の民芸品を買い集めた。
益子参考館は、濱田自身が参考にしたこれらの蒐集品を一般の人々にも参考にしてもらおうとの意図で開かれた。濱田庄司、バーナード・リーチ、河井寛次郎らの作品も展示されている。
蒐集品を収蔵展示するこの石蔵は真岡市の岡部家から移築したもの。  

登窯
昭和17年(1942年)二つ目の窯として築窯したもの。もう一つは益子メッセに移築復元して、毎年行われる炎まつりに使われている。  

役場前
益子参考館を出て右へ。次の角を左に折れて宇都宮に通じる広い通りに出る。これを右へしばらく行くと、やがて左に益子町役場が見えてくる。この手前を左に折れ、小貝川に注ぐ百目鬼川を渡った先を右へ行くと左前方に駅の時計塔が見えてくる。  

SL
真岡鉄道ではシーズンの土・休日に茂木~下館間に1往復のSLを走らせている。
(下館発10時37分、茂木発14時28分。所要時間1時間半。自由席だが、整理券大人500円小人250円が必要。) 
駅に戻りついた時はちょうど発車するところだった。急いで写真をと陸橋に駆け上がったが、残念!
汽車は出て行く、煙は残る。
後姿しか撮れなかった。  

焼物を買いに行ったわけではないし、そのつもりもなかったのだが、昼食時に出された器で飲んだビールがことのほか美味かったので、つい同じものを4個買ってきた。後で考えたらビールの美味かったのは汗をかいて単に喉が渇いていただけだったのかもしれない。  

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