旧古川庭園



 ここは元陸奥宗光(紀州藩藩士、維新後伊藤内閣の外相)の邸宅があったところ。宗光の次男潤吉が古河財閥の養子になったとき古河家の所有となったという。

 第二次世界大戦中は陸軍に接収されていたが、終戦後は連合軍に接収され、イギリス大使館付駐日武官の宿舎などに利用されていた。その後国有財産となり東京都に無償で貸し出され、昭和31年4月30日に都立公園として開園した。

 台地の上と低地、そしてそれを結ぶ斜面をうまく利用して造られている。台地の上は洋館、斜面は洋風庭園となっている。設計者は、鹿鳴館・ニコライ堂・岩崎邸などを手掛けたイギリスの建築家ジョサイア・コンドル。

 台地下は日本庭園となっており、こちらは近代日本庭園の先駆者として数多くの庭園を手掛けたことで知られる京都の庭師植治こと小川治兵衛により作庭された。

 上部の開放感のある洋風庭園とは対照的に、下部の日本庭園は一転して心字池を中心に樹林に囲まれ、都心とは思えぬ静けさ。小鳥のさえずりが心を癒してくれる。

 平成18年には、大正時代初期の形式をよく留める庭園として、国の名勝に指定された。




日本庭園
 心字池を中心にして、舟着石、雪見灯篭、荒磯、枯滝を配置して造られている。    




 雪見灯篭は、池の面に影が映るところから浮見灯篭と言っていたのが転訛して雪見灯篭になったとの説もある。  




枯滝
   水を使わないで山水の景観を表現する「枯山水」の道具立ての一つ。山峡を流れ落ちる渓谷をイメージしている。
   




大滝
 10m超の高低差のある斜面をうまく利用して造られた滝。数段に分かれた滝を樹木が覆い、薄暗くなった様は深山幽谷の雰囲気を十分味わえる。  




茶室  


所在地  東京都北区西ヶ原1−27−39
アクセス JR京浜東北線上中里駅北口から 徒歩8分
       JR山手線駒込から 徒歩14分
入園料  150円 65歳以上70円
      無料公開日 5月4日(みどりの日)、10月1日(都民の日)
休園日  年末年始(12/29〜1/1)
開園時間 9時〜17時(入園は16時30分まで)
洋館内見学 要事前申し込み 見学料別途800円



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