里山歩き


見沼田んぼを歩く


2005.03.27歩く

さいたま市から川口市にかけて広がる広大な緑地を歴史と自然を楽しみながら歩く。
見沼田んぼとは
元沼だったこの地を、江戸時代初期関東郡代伊奈忠治が八丁堤を築いて灌漑用水池ととして造成した。その後8代将軍吉宗の時に幕府財政再建のため新田開発を進めたが、この見沼も井沢弥惣兵衛為永が干拓工事を行なった。
このとき農業用水として新たに利根川から水を引く用水が見沼田んぼの東縁、西縁に造られた。これが見沼に代わる用水として造られたので見沼代用水と呼ばれるようになった。  

コ  ー  ス
徒歩4時間
東浦和駅(10分)大間木氷川神社(3分)清泰寺(15分)見沼代用水(10分)通船掘(10分)鈴木家(40分)浦和くらしの博物館民家園(15分)園芸植物園(35分)国昌院(15分)見沼代用水西縁(10分)氷川女体神社(70分)東浦和駅

東浦和駅(武蔵野線)
駅を出て道路を渡り左へ行く。最初の信号を右へ行くと直ぐに赤山街道。
これは関東郡代伊奈忠治の構えた赤山(川口)と土屋(与野駅付近)を結ぶ道だったそうだ。行手に大間木氷川神社が見える。

大間木氷川神社
ここの本殿は、神社明細帳や棟札から寛文7年(1667年)に大宮の氷川神社が造り替えのとき、旧本殿を買い受け建立したものであることが分かった。

清泰寺
左手の赤山街道を進むと直ぐ右手に清泰寺がある。平安時代前期の天台宗の僧慈覚大師円仁の開山と伝える、天台宗の古刹である。


見性院の墓
境内墓地には見性院の墓がある。見性院は武田信玄の二女で、武田家の武将穴山梅雪の妻となったが、梅雪死後徳川家康の庇護を受ける。後、二代将軍秀忠の4子幸松丸の養育に当たった。
幸松丸は7歳で高遠藩保科家の養子となり、保科正之と称し、さらに会津23万石の藩主となって会津松平家の祖となる。

庚申塔
境内を取り囲む生垣のように同じ大きさの庚申塔が並ぶ。その数349+2基とか。このように沢山の庚申塔が1箇所にあるのは珍しく市の有形民俗文化財に指定されている。
清泰寺を出て先の角を右へ。次の信号を渡り明の星学園を右へ回りこむと見沼代用水。橋を渡り右へ武蔵野線をくぐり先へ行くと通船掘に出る。   

通船掘閘門
見沼田んぼを干拓した井沢弥惣兵衛為永は、東西見沼代用水と芝川を繋ぐ運河を作り、荒川、隅田川を経て江戸と結ぼうとした。しかし用水と芝川に3メートルの高低差があったため、途中に夫々2つの閘門を設け、水位の調節により船を運んだ。規模は違うがパナマ運河と同じ方式だが、こちらの方が180年ほど先輩だ。

鈴木家
見沼通船の差配をしていた役宅で、文政年間の頃の建築。近くの木曽呂の富士塚や水神社などこの辺り一帯が国の史跡に指定されている。
母屋は見学できないが、奥庭にある納屋と米倉が土・日曜日に公開されている。   

同じく鈴木家の奥庭に、当時使っていた船が1/2の大きさに復元され展示されている。  

芝川(見沼中悪水)
東西通船掘と芝川の合流地点から芝川の堤を行く。見沼中悪水とも言うが、悪水とは排水のこと。
長閑な風景が展開し、水面にはカルガモ、コガモ、バン、オオバンが。空ではヒバリがようやく訪れた春を高らかに謳歌していた。  

浦和くらしの博物館民家園
再び武蔵野線をくぐって暫らく行くとやがて民家園が見えてくる。ここには江戸から大正期に建てられた市内の民家を移築、復元している。入場無料。
時間によってはこの辺りの芝生で昼食にするのが良い。途中食堂など無いので、手作りの弁当を用意するか駅前のコンビニ弁当など仕入れておく。  

民家園の前の道を進み、大きな清掃工場を過ぎた辺りで横断歩道を渡り真直ぐ行くと園芸植物園。ここも無料。
いろんな花を楽しみながら通り抜けると大崎公園。この横の道を木傘神社、国昌寺へ向かう。この辺り植木農家の集落で、様々な木の花を楽しみながら行く。
道の分からないところは農家の人に聞くと良いだろう。併せていろんな話も聞かれる。  

国昌寺薬医門
山門の門扉には菊の紋章が入っている。上部欄間の龍の彫刻は左甚五郎の作と伝えられている。
棺をかついでこの門をくぐるとその棺が軽くなると言い伝えられているようだが、ここは開かずの門となっている。  

曹洞宗の寺。境内にある山門と共に阿弥陀種子板石塔婆が市の指定文化財になっている。
国昌寺を出て芝川を渡り少し先へ行くと見沼代用水西縁。ここから桜並木の用水路沿いに進むとやがて氷川女体神社。途中真直ぐ行く畑中の道もある。  

氷川女体神社
女体神社とは艶かしい名前。しかも武蔵一ノ宮とある。武蔵一ノ宮は大宮の氷川神社ではなかったか。実はここの祭神は櫛稲田姫。大宮の氷川神社の祭神須佐之男尊と夫婦の仲ということで、両社一体で武蔵一ノ宮といわれている。
崇神天皇の代の創建で、古くから信仰を集め、鎌倉・室町時代の文化財が数多く納められている。  

桜並木
氷川女体神社を出て東浦和に戻るまで、見沼代用水沿いに延々と桜並木が続く。木の大きさ、枝振りから見て満開時には素晴らしい花見ウォーキングが楽しめるだろう。

このコース嬉しいのは見学箇所はすべて無料。使ったのはお賽銭だけ。  
4月8日再訪

桜並木
満開になった桜を見たくて、4月8日に再び訪れました。上記と同じ場所の満開の桜です。
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